花忍本店

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2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

星色の童話①

流星が目の前を駆け抜けていった。それは、金色の髪をした少女だった。 少女はこちらを一瞥し、少し驚いた表情を浮かべたが、足を止めることなく走り去っていった。 俺は暫く、彼女の走っていった方向を見つめていた。 ほどなくして、後から走って来た警察官…

兄弟の話【俺と私の太陽】

コンコン、とノックの音。部屋のドアを開けると、そこに立っていたのは陸斗兄さんだった。 「なんか寂しくなっちゃって……入ってもいい?」 破壊力抜群の切なげな表情。なるほどこうやって女の人たちを懐柔しているのだな、と思うが断る理由も見当たらないの…

人物紹介【俺と私の太陽】

○曜 主人公。19→20歳。見た目はやんちゃっぽいが中身は根暗。 母の再婚でこの家に来た。 最初は飄々としていつもからかってくる天斗を苦手としていたが、徐々に惹かれるようになる。 ○天斗(たかと) 長男。30歳。口髭を生やしている。 一番曜を妹として扱って…

ぬいぐるみの話【俺と私の太陽】

私には秘密にしていることがある。それは、ぬいぐるみが好きだということだ。小さい頃からぬいぐるみが大好きで、沢山集めていたし、もちろん一緒にも寝ていた。しかし、この家に引っ越すにあたって大部分は母の知り合いが経営している保育施設に寄付してし…

熊と駆ける少女【完全版】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ※注意 この物語は作者の夢を忠実に文章化しつつ脚色を加えたものです。その為、読み進めていく中で違和感やツッコミたくなる気持ちを覚える可能性があります。そしてあくまでもこれは“夢の話”です。それ以上…

雨の日のあおくん

この世界には不思議な人々がいる。 彼らはそれぞれが違った色を纏っており、もれなく人知を超えた見目麗しい存在なのである。 私の友人の"あおくん"もその一人だ。 彼は深い青色の髪と透き通るような青い目をしていて、当然ながらその顔も震えるほど美しい。…

俺と私の太陽(R20)

そっと息を吸いながら火を点ける。すると、香ばしいような焦げ臭いような味が口の中に広がった。煙を上手く吸い込むことができず、ぶわっと吐き出してしまう。 「ゆっくり優しく吸って、一拍置いてそーっと吐き出してごらん」 天斗さんが微笑んで言う。 言わ…