次の日、美夜の言葉通り我々は彼女の地元へと戻った。移動中、背負い鞄にしまわれていたのは窮屈だった。電車を降りると美夜は、人目に付かない場所で俺を鞄から出してくれた。 鞄から出ると、空には星が燦然と輝いていた。俺は体の底から力が漲ってくるのを…
昔々、或るところに海の色を纏った男が暮らしていました。その男の目や髪は普段は透き通った碧色をしていますが、明け方には赤く、また夜には闇を溶かしたような黒に変わる、不思議なものでした。男は海の近くの家に一人で住み、魚を採ることを生業にしてい…
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